40代女 祖父の葬式を家族葬で 大変良かった

 現在は40代の主婦です。もう10年以上も前のことになりますが、祖父の死を家族葬で行い、そこに出席した経験があります。
 祖父は明治生まれで100歳を超えていました。配偶者を10年以上前に亡くし、しばらくは気丈にも一人暮らしをしていましたが、晩年5,6年の間はずっと施設生活でした。祖父に所縁のある人たちはほとんどもういらっしゃらず、仮にいらっしゃったとしてもお葬式に来れるような状態ではなかったので、当然のように家族葬という選択になりました。一人、祖父がお世話になっていた遠縁にあたる方もいらっしゃったのですが、遠方に住んでいるということで、今回は家族葬で行わせていただきます、と連絡するにとどめました。先方にとってもそれが良かったようです。
 喪主は長男である私の父で、父には兄弟姉妹が4人おり、その一人もすでに亡くなっていました。残りの3人の兄弟姉妹にも、もちろん父にも配偶者がおり、その子供たちもいましたので、家族葬といっても寂しい印象は一切受けず、むしろ久しぶりにあった家族で話に花がさいていました。  
 式の後、簡単に皆で食事をしましたが、家族しかいないという解放感からか、祖父の悪口などの発言も聞きました。でも孫からすれば、それは家族なりの愛情表現かなと思いました。家族以外の方がいたら、なかなかそういう話はできないだろうと思いました。また、祖父が100歳以上生きて大往生を遂げた、という意識がみんなにあったからか、寂しいというより、「よくぞここまで生きた。」という、なんというか祖父をほめたいような空気がその場にはありました。写真のときに歯を出して笑っている人もいましたが、それを責める雰囲気でもありませんでした。
 お葬式のあと、骨上げのとき、年齢の割にとても立派な祖父の骨を見て、「大往生、さすがおじいちゃん。」とみんな声に出して言ってしまっていました。
 家族葬は、祖父の場合には、たぶん一番いい送り方でした。私の記憶の中でも、かなり印象に残っているお葬式の一つとなりました。

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