31歳、男、落ち着けた

私は30代前半にして、はじめて身内を亡くしました。亡くなったのは祖母で、糖尿病や脳内のガンで余命宣告を受けていたため、いつ葬儀になってもおかしくはないと思っていました。しかしそのときは突然訪れたのです。葬儀を取り仕切ること(喪主)になったのは、母の妹(三女)で、全てあちらで葬儀場とのやり取りや、料理の準備などを進めていました。私はただ母からの連絡を受け、少し離れたところに住んでいたために1時間半ほど電車を乗り継いで実家に到着しました。亡くなったと聞かされたときは、意外と落ち着いていました。ところが、実際に葬儀場に到着し、祖母の顔を覗き込むと、その安らかな顔が逆に本当に死んでしまっているのかと疑いたくなる思いとともに自然と涙を誘発しました。そしてお通夜は身内だけで行われ、料理も肉や魚、野菜に果物とかなり豪華なものが出てきました。身内以外の人がいればそんなに料理にがっついていたらみっともないという思いになると思いますが、知っている顔ばかりだったので、遠慮なく美味しい料理を堪能することができました。その翌日、葬儀となったときにはお坊さんのありがたいお言葉に感銘を受けました。今日は亡くなった祖母の人生の卒業式だと表現し、その別れを決して悲しむことはないとおっしゃっていました。また、いずれ私たちも極楽浄土へ向かうのだから、何も気に病むことはなく、これから素敵な未来が待っているのだともおっしゃってくれました。もっと物悲しいものだと思っていた別れがすっと救われるような感じがしました。ただし、火葬場で体が焼かれて出てきた骨を拾う場面で、もうみんなわんわんと泣いて、感傷に浸りながらも骨を骨壷に入れていました。家族葬でなければあれほど濃密な時間が過ごせなかったと思いますし、今も事実を受け入れられずに立ち直れていなかったのではないかと思います。小さい頃からとても優しく接してくれていた祖母がもういないというのは悲しいことですが、前を向いて生きていきたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました