36歳女嫁ぎ先の家族葬

私は26歳で結婚し、同じ県内の男性に嫁ぎました。私の出身地は海寄りで、旦那は山里です。見るもの聞くもの珍しく、習慣の違いなどもよく気づいたものでした。
その中でも、1番印象に残っているのが旦那の祖父が亡くなった時のことです。旦那の両親は共に山育ちで隣町の出身でしたが、両家とも土葬だったのです。最近では、旦那の母方のお家はお墓をまとめましたが、義母が謎の病で数ヶ月入院をしたこともあり、義父は、義父側の墓はまとめるな、と旦那に助言していました。義父の祖父はお坊さんだったこともあり、実家にはお堂もあります。曾祖父のお墓はもちろん土葬なのですが、お坊さんにだけ許された先の尖った玉ねぎのようなお墓の形でもあります。義父側の土葬のお墓はほぼ山の側面一体になっており、水場がないので山の麓で水を汲み、リュックに背負っていつもお参りします。急斜面でいくつもあるため、ちょっとしたハイキングのような感覚ですが、いつもご先祖さまに守られているなと感じることがあるので、子ども達にも伝えて行きたいと思っています。
話は戻り、最近のお葬式はこの辺でも近くの葬祭会館が多い中、旦那の祖父の時には、祖父が1人暮らしをしていた立派な実家ですることになりました。
地域の文化史にでてくるような、家族はもちろん、近所の方々の協力を得ながら、お通夜、お葬式の準備、運営を行いながら、お坊さんにも来てもらい、お経を唱え、式が済むと皆で宴会を行いました。とても賑やかで、故人の話、昔の話、私は嫁にきて間もなかったのでご挨拶など、祖父が繋いでくれたご縁に感謝しながら過ごしたことでした。
宴の前に、祖父の入っているおかんを、竹で作ったカゴで囲み、近所の方々とともに皆で担いで運び、近くの山のお墓の中の一角に埋めておりました。穴は前日に近所の方々が掘ってくれていたようでした。
私はその時妊娠しており、祖父の最後の顔を見ることを許してもらえませんでしたが、はじめて見る土葬、そして山文化の中の家族葬に衝撃を受けたのでした。

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