56歳女幸薄かった伯母の家族葬は大変ささやかなものでした。

50代後半 女  専業主婦  20代の子供と夫との3人家族です。

母の実妹に当たる、私にとっては伯母の葬儀をしました。
30代後半の息子が二人、離婚した夫がいましたが、人の縁が薄かったのでしょう。
伯母は一人暮らしでありました。一応、息子二人には知らせましたが、通夜には来ませんでした。元夫は、現在どこにいるのか消息不明です。伯母の姉妹やその子供たちだけで家族葬をすることとなりました。
伯母は60歳という若さで逝きました。長年の喫煙がもとで、無菌性肺炎をり患し、意識を失ってからあっという間にあの世に旅立ちました。
伯母には残されたお金はまったく無く、葬儀をあげる費用はとても賄えませんでしたので、血縁のあるものたちだけで、金銭を出し合い通夜と告別式を簡素ながらにも実施することとなりました。
伯母宅の近くにある葬儀社の一番小さな和室を借り、遺体を安置させてもらいます。
布団に寝かされた伯母の顔はずいぶん、やつれて痩せていましたが、お顔は、安らかな表情をして眠りこけています。白い着物を着て、両手は胸のあたりでそっと結んでいました。
大変小さな人でもあったのでお棺がなかなか決まらず、告別式の朝にやっと入ることになりました。
ささやかな、祭壇の花と伯母の小さなお棺が、これまでの人生を物語っています。告別式に出席したものは、伯母の姉妹5人と姪や甥を含め10数人だけです。
受け付け台らしきものも用意しましたが、当然、他にだれもきてくれるはずもありません。
告別式の読経が終わるころ、中年の男性が普段着の格好で2人入ってきました。
息子たちです。何も言わず、後ろの席に静かに座ります。
じっと、彼らはうつむいていました。
読経が終わり、一人一人、線香をあげに祭壇の前に進みます。伯母の息子たちも、祭壇に掲げられた伯母の一番美しかった若いころの写真にしばし見入り、静かに祈りをささげていました。
出棺のときがきました。
花々を伯母の棺に入れてやります。むせび声がどこからともなく、聞こえてきます。
幸薄かった伯母がありがとうねと最期に私たちにささやいているように微笑んでいるようにみえます。
息子たちは一言も言葉を発しませんでした。そのまま、棺は霊きゅう車に乗せられ、息子二人が乗り込んでいく姿が見えました。